若年の心肺停止事象

2020.07.24 淺野祥孝

高校生で心肺停止となる事象が連続しました。
幸い近くにいた学校関係者がAEDを使用してくれ、
当院に搬送前に自己心拍は再開していました。

清原らによると学校での心肺停止は50件/年です。
Epidemiology of Pediatric Out-of-Hospital Cardiac Arrest at School
― An Investigation of a Nationwide Registry in Japan ―
Circulation Journal 82 巻 (2018) 4 号
Kosuke Kiyohara, et al.

およそ各県ごと年に1件あるかないかです。
本年はやや多い印象です。

心停止後、1分毎に救命率は10%ずつ低下していきます。
10分後には全員亡くなられる可能性があります。

総務省消防庁:令和元年版救急・救助の現況
総務省消防庁:令和元年版救急・救助の現況

救急隊が現場に到着できるのは全国平均で8分です。
8分間なにもしないでいると80%のかたは助かりません。

胸骨圧迫(心臓マッサージ)をすると17.5%が助かる可能性があり、
胸骨圧迫にAEDが併用されると55.9%の方が助かります。
つまり、8分間にするべきことはAEDを併用した胸骨圧迫です。

総務省消防庁:令和元年版救急・救助の現況
総務省消防庁:令和元年版救急・救助の現況

高齢の方と比較し若いかたですと助かる可能性が上昇します。

男性 総務省消防庁救急企画室 
男性 総務省消防庁救急企画室

女性 総務省消防庁救急企画室
女性 総務省消防庁救急企画室

ただ、松井らによると学校で心肺停止となった生徒のうち、
Sex Disparities in Receipt of Bystander Interventions for Students Who Experienced Cardiac Arrest in Japan
JAMA Netw Open. 2019 May 3;2(5):e195111.
Satoshi Matsui, et al.
胸骨圧迫をうけているのは85.8%
AEDを併用した胸骨圧迫をうけているのは76.3%
です。
特に高校生の女子にAED使用率が少なくなっています
男子83.2%vs女子55.6%
未来を助けるために、心肺停止となった生徒全員が
AEDを併用した胸骨圧迫をうけられるようにしなければなりません。

そのために当院施行の「命の授業」が少しでも役に立ってくれるといいのですが。

(まとめ)
・若年の心肺蘇生事象が多い印象をうける。
・傍にいる人ができるだけ早くAEDを併用した胸骨圧迫をしなければならない。
・学校現場でAED併用の胸骨圧迫の100%施行を目指さなければならない。

学校への心肺蘇生の普及に尽力されている
桐田様、桐淵様がNHK「逆転人生」出演されます。
是非、ご視聴下さい。
本放送:7月27日(月) 22:00~22:45 NHK総合
再放送:8月8日(土)00:15~01:00 NHK総合 ※金曜日の深夜です

文責 救急科 淺野