こどもとコロナウイルス
2020.08.24 淺野祥孝
コロナウイルスに罹患するこどもは圧倒的に少なくなっています。
埼玉県のホームページより。
中国からの報告からだと小児人口に比してもかなり低くなっています。
なんででしょうか?
想定されているのは2点です。
1. そもそもかからない(感受性が低い)
①他のコロナウイルスに暴露する機会の多い小児では耐性を獲得している。
②ACE2レセプター(新型コロナウイルスを体内に取り込む受容体)の発現が少ない。
2. 軽症なため、医療機関受診に結びついておらず検査されていない。
1-①
下記の通り小児は風邪に罹患する機会が多くなっています。
そのため新型コロナウイルス以外の既存のコロナウイルスに暴露される機会が多く、
結果として耐性を獲得している可能性が指摘されています。
1-②
ACE2レセプターは新型コロナウイルスが体内に入る際の受容体とされています。
小児ではその受容体の発現量が少ないため、新型コロナウイルスにかからないとされています。
2. Age-dependent effects in the transmission and control of COVID-19 epidemics
Nicholas G. Davies1, et.al. Nature Medicine (2020) LetterPublished: 16 June 2020
という論文によると、
何と! 10歳から19歳の若年で症状がでるのは21%。70歳以上では69%で
高齢者の1/3しか症状がでません。感染しているが症状のないこどもが多くいます。
この症状のないこども達が他人にうつすかどうかについては様々な意見があります。
この1と2の合わせ技で小児の患者が少なくなっているようです。
(まとめ)
小児に新型コロナウイルスに感染者が少ないのは、
1. そもそもかからない。
2. 症状が軽微であるため受診に結びついておらず、結果検査されていない。
があるようです。
文責 救急科 淺野